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「小規模社会福祉法人」認可基準緩和のニュース


朝日新聞ニュース速報 99/12/10
◇「小規模社会福祉法人」を導入へ 厚生省が認可基準緩和 ◇

厚生省は社会福祉法人の設立条件を大幅に緩和した「小規模社会福祉法人」を新設することを決めた。「1億円以上の資産保有、土地建物は自己所有」という現行の認可基準を「資産1000万円程度、施設は賃貸でも構わない」に緩め、全国で5000カ所程度ある障害者のための小規模作業所と、来春の介護保険導入で多数の参入も予想される在宅福祉サービス団体を認可対象とする。

特別養護老人ホームについても、用地が借地でも一般の社会福祉法人として認可する。設立要件のハードルが高すぎるといわれる社会福祉法人制度を改革することになる。早ければ2000年4月から新しい制度が適用される。

営利を求めない社会福祉法人は経営の安定性や事業の継続性を重視して、厳しい設立要件が課せられてきた。しかし、福祉サービスの需要が増え、きめ細かい活動を展開するため、地域ごとに活動するグループも急増した。

現在の設立要件では「1億円以上の保有資産」を満たさなければならないため、地域で活動している民間団体が社会福祉法人になるのは極めて難しい。また、施設の「土地、建物を自己所有」という条件は、地価が上昇した都市部での法人認可の道を狭めてきた。こうしたことから、いまの制度は「時代に合わない」という指摘が強まっていた。

こうした社会情勢の変化から厚生省は、制度を見直すことが必要と判断した。新設する「小規模法人」の要件として資産は1000万円程度とし、土地や建物は賃貸でも構わないとするが、一方で、原則として5年以上の事業実績という、現行にはない要件を求める。また、現行の社会福祉法人は、事業を行う地域に限りはないが、小規模法人は、一つの都道府県の区域内に限定される。

厚生省によると、小規模作業所は、現行の要件では社会福祉法人となることは極めて難しく、法人格のない任意団体として活動しているところがほとんどだ。国は年間110万円程度の補助を出しているが、任意団体のために、自治体独自の補助や企業の寄付などの援助は受けにくく、厳しい運営を迫られているところが多い。寄付控除など税制の優遇措置も受けられないなどの問題もある。

ホームヘルパーを派遣する在宅福祉サービス団体は現在、全国に600近くあるとみられ、介護保険制度導入で新規参入の希望が少なくない。介護保険制度では重要な活動を担うのに、任意団体のままでは、「公益のために活動している」と認知されにくい。介護保険制度に伴う自治体の支援を受けにくいうえ、利用者に不安を招きかねないとして、社会福祉法人になる道を開くことにした。

[1999-12-10-03:10]