2006年度 事業報告書
特定非営利活動法人障害者情報ネットワーク尼崎
1 事業の成果
(1)コンピュータ教室開催事業
従来の入門・初級・中級・視覚障害者・知的障害者コンピュータ教室を14講座開催した。今年度はさらにエクセル・ホームページ・インターネット・ブログ作成・デジカメ・小物作品づくり・年賀状作成などテーマごとのコンピュータ教室を受講生のニーズに合わせて13講座開催した。地域の公民館や地区会館で行うコンピュータ初級教室は4地区5講座を開催した。知的障害者通所施設塚口福成園からの依頼で8月と1月に園へ出向いての教室を開催し、名刺などの作品の出来上がりを喜んでもらった。
(2)コンピュータ機器設置支援事業
「ひょうごボランティアあしすと」支援事業より20万円の補助が決定し、まずトラブル対処を学ぶ「スキルアップ講座」(10回)を開き訪問支援者養成をおこなった。7名の訪問支援者で30名の方に延べ75回の訪問支援を行なうことが出来た。補助により依頼者の分担金は1回1000円。
(3)ホームページ開設・運営支援事業
この2年間で14ヶ所のホームページ開設・維持を支援したが、5ヶ所ほどしか常時の更新がなされていなく、コンピュータ機器設置支援事業の訪問支援事業として、5ヶ所のホームページを更新した。
(4)法人設立・運営に関する支援事業
1年間かけて尼崎市身体障害者連盟福祉協会のNPO法人化業務を支援し、12月認証を果たした。さらに尼崎市リハビリ友の会のNPO法人化への踏ん切りを支援できた。
(5)障害者福祉に関する情報発信事業
ホームページの教室の日程をこまめに更新した。広報誌発刊については今年度も1回に終わった。障害者からの情報発信としてのまちづくり活動参加は、尼崎市協働参画課主管「尼崎市協働研究会」、阪神南県民局主管「第3期阪神南地域ビジョン委員」、社団法人尼崎青年会議所主催の「武庫川花火大会」へ参加した。また尼崎市民まつりで「NPOパネル展」を共催し、市内60NPOのうち42のパネル展示を実現した。
2 事業の実施に関する事項
(1) 特定非営利活動に係る事業
事業名
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事業内容
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実施日時
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実施場所
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従事者
の人数
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受益対象者の範囲及び人数
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支出額 (千円)
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コンピュータ教室開催事業
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入門 〜インターネット教室/地域教室4ヶ所
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月・火・水・木・金・土・日/随時
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尼崎市立身体障害者福祉会館/地区会館
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9名
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尼崎の障害者市民 延べ 356人
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291
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コンピュータ機器設置支援事業
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在宅・作業所のコンピュータの機器調整作業
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随時訪問支援
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障害者自宅・作業所、身障会館
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7名
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尼崎の障害者市民・作業所75件
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311
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ホームページ開設・運営支援事業
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ホームページ開設作業/機器調整作業
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随時
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障害者自宅・作業所
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3名
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尼崎の障害者市民・作業所
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0
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法人設立・運営に関する支援事業
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法人化事務作業支援
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随時
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身障会館、県NPO担当
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1名
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障害者団体2ヶ所
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1
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障害者福祉に関する情報発信事業
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ホームページ・広報誌による福祉情報の発信
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随時
/年1回
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尼崎市立身体障害者福祉会館
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17名
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尼崎市民 約1000
世帯
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42
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2006年度事業報告(詳細)
1.コンピュータ教室開催事業
1.ホームページ作成教室(講師:広瀬 徹)
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回数
|
年
|
月日
|
回数
|
|
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第1回
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2006
|
9月12日
|
4
|
ホームページ作成
|
2
|
8
|
2.肢体障害者「パソコン入門教室」 (講師:広瀬 徹)
|
第1回
|
2006
|
11月6日
|
4
|
パソコン入門
|
2
|
8
|
第2回
|
2007
|
2月10日
|
4
|
パソコン入門
|
1
|
4
|
3.肢体障害者「パソコン初級教室」 (講師:高尾絹枝)
|
第1回
|
2006
|
5月11日
|
4
|
初級
|
2
|
8
|
第2回
|
2006
|
7月6日
|
4
|
初級
|
2
|
8
|
第3回
|
2006
|
11月9日
|
4
|
初級
|
4
|
8
|
第4回
|
2007
|
2月1日
|
4
|
初級
|
1
|
4
|
5.ワープロ中級教室 (講師:広瀬 徹)
|
第1回
|
2007
|
2月2日
|
4
|
Word中級
|
4
|
16
|
6.視覚障害者キーボード入力教室 (講師:安藤和男、広部景子)
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第1回
|
2006
|
5月2日
|
4
|
初級
|
5
|
20
|
第2回
|
2006
|
7月11日
|
4
|
初級
|
5
|
20
|
第3回
|
2006
|
10月31日
|
6
|
初級
|
7
|
28
|
第4回
|
2007
|
1月23日
|
6
|
初級
|
4
|
24
|
7.知的障害者パソコン教室 (講師:伊東 勇、広瀬 徹)
|
第1回
|
2006
|
5月20日
|
4
|
インターネット+初級
|
1
|
4
|
第2回
|
2006
|
7月8日
|
4
|
インターネット+初級
|
4
|
16
|
第3回
|
2006
|
9月2日
|
4
|
初級
|
2
|
8
|
8.地域パソコン講座
|
第1回
|
2006
|
6月8日
|
4
|
暑中見舞いパソコン講座
講師:高尾絹代
助手:本家スミ子
身障会館
|
3
|
12
|
2006
|
6月13日
|
4
|
暑中見舞いパソコン講座
講師:広瀬 徹
助手:竹田心一
中央公民館
|
1
|
4
|
2006
|
6月12日
|
4
|
暑中見舞いパソコン講座
講師:橋本一人
助手:大島 巧
小田地区会館
|
2
|
8
|
第2回
|
2006
|
8月3日
|
4
|
デジカメ画像講座
講師:高尾絹代
助手:本家スミ子
身障会館
|
3
|
12
|
2006
|
8月8日
|
4
|
デジカメ画像講座
講師:広瀬 徹
助手:竹田心一
立花公民館
|
1
|
4
|
第3回
|
2006
|
8月23日
|
4
|
パソコン初級講座
講師:広瀬 徹
助手:本家スミ子
塚口福成園
|
5
|
20
|
第4回
|
2007
|
1月1日
|
4
|
パソコン初級講座
講師:広瀬 徹
助手:本家スミ子
塚口福成園
|
5
|
20
|
9.インターネット教室 (講師:広瀬 徹)
|
第1回
|
2006
|
7月7日
|
4
|
インターネット初級教室
|
2
|
8
|
第2回
|
2006
|
10月12日
|
4
|
インターネット初級教室
|
1
|
4
|
第3回
|
2007
|
3月5日
|
4
|
インターネット初級教室
|
1
|
4
|
10.デジカメ教室 (講師:高尾絹代、本家スミ子)
|
第1回
|
2006
|
8月4日
|
4
|
デジカメ画像取り入れと文書
|
2
|
8
|
第2回
|
2006
|
9月14日
|
4
|
デジカメ画像取り入れと文書
|
3
|
12
|
第3回
|
2007
|
3月2日
|
4
|
デジカメ画像取り入れと文書
|
2
|
8
|
11.表計算エクセル教室 (講師:広瀬 徹)
|
第1回
|
2006
|
5月14日
|
4
|
表計算エクセル初級
|
4
|
16
|
第2回
|
2006
|
10月10日
|
4
|
表計算エクセル初級
|
2
|
8
|
第3回
|
2007
|
3月6日
|
4
|
表計算エクセル初級
|
2
|
8
|
12.ブログ作成教室 (講師:広瀬 徹)
|
第1回
|
2006
|
10月2日
|
4
|
ブログ作成
|
1
|
4
|
第2回
|
2007
|
3月3日
|
4
|
ブログ作成
|
1
|
4
|
13.小物作品づくり教室 (講師:高尾絹代)
|
第1回
|
2007
|
3月1日
|
4
|
小物作品づくり
|
2
|
4
|
14.年賀状作成教室 (講師:高尾絹代)
|
第1回
|
2006
|
12月7日
|
4
|
年賀状作成
|
1
|
4
|
<教室受講者数の減少といろいろな試み>
2005年度では教室数33、受講者総数124人、平均受講数3.8人だったのですが、2006年度教室数35、受講者総数90人、平均受講数2.6人と急激な減少を示しました。講師のみなさんとその原因、対処を話し合いました。入門的な内容ではあき足らなくなっている感想も聞いているということデジカメ入門、年賀状作成などテーマをはっきりさせてはどうかと広げましたが、1教室あたりの人数は増えませんでした。障害者が2,3年前、コンピュータを学びたくても身近になかった状態、受講料が1,2万円必要だった状態から、現在では、高齢者講座や公民館講座などいろいろなコンピュータ講座がボランティア的な受講料で広く開催されるようになったからであろうと分析しています。教室に出かけてコンピュータを学びたいとする障害者がいわば飽和状態になってきたのだろうと思われます。
今後は少しずつであっても情報格差をなんとかしたいという障害者がぽつりぽつりと出てくる状態の受け皿として私達の教室を位置づける気持ちの一致が必要ではないかと思われます。
いろいろなテーマの教室の設定の中で、新たに講師となっていただく方が少しずつ増えていることは心強いことです。
また4月より障害者自立支援法の施行により、車イス障害者講師、視覚障害者講師が教室へ出向く際、介護者費用の1割が本人負担となることから、法人事業として別個に法人が負担してはと5月にメーリングリストで提案し会員数22名中14名の賛成があり、実行していきました。
訃報ですが会員の安藤和男さんが病気のため、今年1月23日に亡くなられました。2004年4月から視力障害者教室の講師として中心的に活動された会員で惜しい方をなくしました。直前の12月の教室では、一時退院をおして教室に出向き教えていただきました。ご冥福をお祈りします。
2.コンピュータ機器設置支援事業
「ひょうごボランティアあしすと」より「コンピュータ機器設置・設定の障害者・作業所支援事業」への補助金200,000円を受け、在宅・作業所のコンピュータの初期設定・機器設置・インターネット接続作業などを訪問支援する事業を始めました。
延べ75回の訪問支援を行ないました。その訪問の中には、作業所のホームページの更新作業、個人宅でのワープロ・メール教授、一人だけのコンピュータ教室を会館へ来てもらっての個人への支援作業とみなし、補助を行なうなどいろいろな内容が含まれました。
ソフトのインストールができない、プリンターを本体へ接続しデバイスドライバーを入れるなどの作業は、口頭や会館での教えでは自宅でできないことが多く、訪問支援事業の大切さを痛感しました。
訪問作業者のスキルアップを図るため、2人の外部講師にお願いして2回の講座を開き、ソフト面・ハード面のトラブル対処法を研修いたしました。
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開催年
|
開始
|
終了
|
回数
|
内容
|
参加
|
第1回
|
2006
|
6月2日
|
6月30日
|
5
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スキルアップ講座トラブルソフト編
講師:深井美智代
(NPO法人シンフォニー)
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7
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第2回
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2006
|
9月29日
|
10月27日
|
5
|
スキルアップ講座トラブルハード編
講師:佐々木 敏
(神戸パソコンクラブ)
|
4
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3.ホームページ開設・運営支援事業
新しくホームページを設置したいと支援を求められることはありませんでした。
昨年「阪神南地域づくり活動応援事業」補助事業により9つのNPO法人・障害者作業所のホームページを新設しましたが、そのうちの4つは更新がされないままです。更新作業への継続的な支援が課題となっています。
4.法人設立・運営に関する支援事業
本年は任意団体「尼崎市身体障害者連盟福祉協会」がNPO法人となる過程を支援できました。NPO法人化の長所短所の検討から始まり、定款等の試案作成、兵庫県への届出・指導を受け訂正作業、任意団体からの資産引継や、法務局・税務署への届けなどともに準備しました。
「小規模NPO法人の運営の手引き」は発行できませんでした。
5.障害者福祉に関する情報発信事業
発行日(5月、8月、11月、2月)を決めての広報誌発刊は、6月1回に留まりました。発行体制の整備がないとどうしても遅れひいては休止が起こります。
障害者からの情報発信としてのまちづくり活動参加については、尼崎市協働参画課主管「尼崎市協働研究会」への参加は9月に提言書を出して終了、阪神南県民局主管「第3期阪神南地域ビジョン委員」への参加は2年間かけて「阪神南ユニバーサルデザインマップ(鉄道編)」を作成し、障害者国体で配布し役割を終えました。
また、尼崎21世紀の森づくり協議会主催「森びらきオープニングイベント」実行委員会に参加し、国体プール会場でのイベント(5/20)ブース出店に障害者作業所・NPOの参加をよびかけ、世話役として活動しました。社団法人尼崎青年会議所主催の「フェニックス秋祭り 尼崎の夜空を見上げて」9/16の5年ぶりの花火大会開催に加わりました。
尼崎市民まつりで、市内NPO法人のパネルを展示し、パンフレットを置こうという活動に、10/19に法人会員7名が集まり、市内42のNPO法人のパンフレットの三つ折りやコピー作業をやっていただきました。これをきっかけにして親しくなるNPOに出会えたり、今後の連携の糸口を作ることが出来ました。