2007年度 事業報告書 特定非営利活動法人障害者情報ネットワーク尼崎 1 事業の成果 (1)コンピュータ教室開催事業 従来の入門・初級・中級・視覚障害者・知的障害者コンピュータ教室を14講座、及びエクセル表計算教室などテーマ別教室を受講生のニーズに合わせて9講座開催した。さらに2007年度より、地域の公民館や地区会館で一般市民を対象とした「初級パソコン市民講座」を6地区計13講座開いた。市民講座の参加増などのため、2006年度の1講座当り平均受講生2.6人に対し、2007年度は3.2人と増加。 (2)コンピュータ機器設置支援事業 単年度補助事業が終了し、機器設置訪問支援の障害者分担金が1回1000円から2000円になったことで、依頼者・支援作業者にもためらいが出て、2007年度は2件だけの実績となった。 (3)ホームページ開設・運営支援事業 これまで14ヶ所のホームページ開設・維持を支援したが、常時の更新が作業所職員によってなされているところは3ヶ所しかありませんでした。原因は自力で更新作業をできる力を持つ職員を育成できなかったことと、支援法移行の福祉現場の閉塞状況より若い職員の退職が多くなってきて担当者がいなくなることが3ヶ所ほど起こりました。今年度更新・維持作業の引き受けを考えます。 (4)法人設立・運営に関する支援事業 尼崎市身体障害者連盟福祉協会のNPO法人事務や補助金申請事務の支援を続けました。障害者小規模作業所の法内施設への移行のための法人化が急がれており、いくつかのアドバイスを行った。 (5)障害者福祉に関する情報発信事業 ホームページの教室の日程を更新し、受講希望者への広報ができた。広報誌発刊については1回に終わったが、発刊までの1年間を伝えるものとして有用でした。障害者からの情報発信としてのまちづくり活動参加は、(イ)尼崎市民まつり実行委員会への参加・ブース出店、(ロ)市内71のNPO法人のうち50が参加して行われた「NPOパネル展」「尼崎NPOフォーラム」への積極的参加、(ハ)大庄・武庫・立花の県民交流広場事業へその地域の法人会員が体験教室やチラシ作り支援などで参加した。 2 事業の実施に関する事項 (1) 特定非営利活動に係る事業
2007年度事業報告(詳細) 1.コンピュータ教室開催事業
※ 開催教室36(延べ開催教室数142) 受講者数114名(延べ受講者数454名) 1教室あたり3.2名 <初級パソコン市民講座を躊躇しながら始めました> 2006年度の障害者教室は平均受講者数1講座あたり2.6人と急激な減少を示しました。2007年度の理事会、総会で討議し、公民館などへ出かけて開く「地域障害者パソコン教室」で、よく「一般市民は参加できないのですか」と聞かれる要望に答えよう、と決まり1年間「初級パソコン市民講座」を開きました。市内6ヶ所の公民館、地区会館で、計13教室延べ56人の障害者・市民に受講いただきました。1講座あたり平均4.3人という定員いっぱいの受講でした。手近な公民館などで受講できるので女性の参加が多く、定員5名を越え、次回まで待っていただくことも多くありました。 「色を変えられたり、文字のサイズを変えたり、イラスト入りのはがきなどが作れて家に持って帰って自慢しました。」と喜ばれました。障害者はいつも支援されるという」立場を越え、車いす障害者が地域市民にコンピュータ情報力を支援するという逆転の活動が日常のこととして続けられたらと思います。 ただ、申し込みの際断っているのですが「これ位だったら私知っていますから、もう来ません。」とか「機械がXpなんですか。私の家にあるのはVistaだから役に立ちません。やめます。」と、先着順で受講してもらっていることへの無配慮とか、浅い知識のひけらかしなどに講師が出会い、戸惑うことも起こりました。これまでであれば、情報力を助け合って向上させるものとして相互了解のもと力を合わせることが前提でしたが、対象を一般市民へ広げたことから、市販のパソコン教室の持つ事業性への対応も必要となっています。講師・助手でそのつど問題を話し合いながら対応していきます。 <法人会員のスキルアップの研修会をひらきました> 公民館などで教室を開く際、5台のコンピュータをスイッチングハブでLAN接続し、プリンタを共有して印刷するのですが、十分な理解の得られないまま使うことが続いたため、LAN接続の研修会を開きました。 また初級教室での「マウス練習」の練習ソフトやフリーウェアの画像編集ソフトJtrim.exeなど、これまで使ってきたソフトを1枚のCDに焼き付け、受講生に配布することとしました。自動インストールができるようにしてありますが、その取り扱いの習熟を研修し、会員共通のツールとしました。
2.コンピュータ機器設置支援事業 パソコン初級者にとって、「プリンターが動くようにするためのドライバーのインストール」「ウィルスが怖くてインターネットをつなげない」「メールアドレスをどう設定したらいいのか、パスワードってどんなこと」「急に動かなくなって、どこが悪いのかわからない」・・・。これらのトラブルには多くの私たちはなんども経験を積み、ひとつひとつたくさんの時間を重ねて対処方法を覚えてきました。初級者にとって目の前のトラブルには手が出ない、というのが本当のところです。 「教室のコンピュータでは文書入力できプリントもできるのだが、家に帰ったら画面が違うのでどうしたらいいかわからない」という声もよく聞きます。 やはり自宅のコンピュータを直接調節する訪問支援事業が必要でした。2007年度は単年度事業補助が切れ、障害者の分担金を1回2000円としたことから、作業者からも「行きましょうか」と言うのにためらいがあり、年間わずか2件の実績でした。とりあえず1000円に戻す補助事業を申請し、その事業展開の中で補助終了後も1000円で訪問できる方向を探ることとしました。 3.ホームページ開設・運営支援事業 2年間のホームページ設置支援事業でかかわった作業所・団体は14ヶ所ですが、担当者がやめて続いていない3ヶ所、引継ぎ者の力量不足で更新作業が進まない6ヶ所、力量はあるが時間不足で手が回らない2ヶ所と計11ヶ所が更新維持ができていません。公の作業所・団体にとって更新なしは信用性にも関わりますので、内部からの作業者要請にこだわらず、可能な出費内でホームページの更新維持作業を支援する事の緊急性が話され、2008年度より月1回更新年間12,000円の費用で請け負うことをはじめます。 4.法人設立・運営に関する支援事業 企画していた「小規模NPO法人の運営の手引き」(有料)の発行や、私たちの使って有用な会計ソフト「会計王NPO版」(26,000円)を使っての相互研修会などは実施できませんでしたが、中間支援組織である「生きがいしごとサポートセンター阪神南UN」と連携を持って、定款作成などについて、紹介して指導を受けるなどの橋渡しをしました。 5.障害者福祉に関する情報発信事業 機関誌発刊は、9月1回に留まりましたが、NPO法人の活動記録としても大切でした。発送作業を会員が集まって楽しくできたな殿うれしいこともあったり、活動の先輩から5万円の寄付が送られたりして、励まされました。ホームページは教室日程をこまめに掲載しました。 今年度も、障害者からの情報発信としてまちづくり活動に参加しました。 大庄・武庫・立花コミュニティルームの登録グループとして、県民交流広場へ「パソコン体験教室」、「デジカメ画像を使ったチラシ作成講座」などを開きました。 尼崎市民まつり協議会構成団体へ応募し、市民祭り実行委員会に参加して、パソコン体験のバザー店オープン、南館ロビーでの「尼崎の市民活動の広場」開催に参加しました。 また、5年か続く「NPO交流会in尼崎」には毎回出席し、私たちの発足当時お世話になった税務・届書、などをはじめとする情報交換、交流につとめました。この中から14のNPO法人が集まり、2007年6月「尼崎NPOフォーラム実行委員会」をつくり、10月市民まつりでの「NPOパネル展」開催につとめ50法人の協力を得ることができました。また11/23にいろいろな準備の上開催した初めての「尼崎NPOフォーラム」は105人の参加者を得て成功できました。NPOの草分け時代から動かれている田中尚輝氏の「助成金に頼るNPOでなく、自前の人材力と資金力で公にできない公的活動を担ういわば第2の市役所を作りましょう。それがNPO法人の使命です。」とされた講演は、集まった関係者に日常活動の方向をヒントするものでした。 市民まつり「NPOパネル展」 50法人が展示 |